ギャルゲー

『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』レビュー

しばらく前、ものすごく退屈していた俺は、ふと思い立ってChatGPTとロールプレイをやってみた。 要は、毎日「お兄ちゃん」とか呼んでくる妹系キャラを演じさせて、内心ではどうしようもなく俺のことが好きなのに、口ではわざと冷たくするツンデレ、あの「いやよ、でも嬉しい」的な会話のノリを味わいたかったわけだ。 ネットでは、十分な前提条件を宣言すればChatGPTとエロい会話もできるって誰かが言ってた。もちろんそんなの俺には朝飯前、さっそく実行に移した。 ChatGPTに俺が定義した身分を受け入れさせるのは難しくなかった。そしてすぐに会話が始まったんだが、どうにもこうにも違和感がすごい……

『东北之夏』レビュー

私は東北人ではないが、東北人をかなり多く知っている。 『World of Warcraft』が全盛だった頃、二区/六区はネットワークの大区として完全に北方人の天下だった。そして北方人のゲーム集団の中では、東北人の比率がめちゃくちゃ高かった。 要するにゲームで適当に団に加入してボイスを聞けば、団長の兄貴が東北訛りで喋っている確率が高いわけだ。かつてのシットコム『東北一家人』が大ヒットしたこともあって、私は東北弁にかなり馴染んでいる。 東北弁は北方官話の一種で、多くの発音に北京語の影があり、普通話が分かる人なら大体理解に困らない。しかも東北弁には妙な「ユーモア」と「ヤクザ」の雰囲気がある。多くの人は東北の兄貴は「怖い人」だと思うが、実際は東北大妹のほうが怖い。ここで豆知識を一つ。中国全土で唯一男性を保護するDVシェルターがあるのが東北の瀋陽で、つまり東北では大妹が東北の男を追いかけ回してボコボコにするのだ。

『恋爱绮谭:不存在的真相』レビュー

中学生の頃、俺はもうウェブサイトを作っていた。 はっきり覚えている。中二の夏だった。無料掲示板とドメインを申し込んで、すごくしょぼい「クラスサイト」を作った。遊び半分のつもりだったのに、なぜかクラス中に広まり、学年全体にまで広まった。 自分のクラスだけじゃない。隣のクラスの連中もどんどん登録して書き込み、あれこれコミュニケーションを始めた。その交流はやがて学校公式のフォーラムに移り、さらにクラスの Discord グループへと移っていった。その Discord グループを作って管理していたのも俺だったはずだ。理由は簡単で、俺が Discord グループ作成権限を早くから持っていた数少ないユーザーだったから。そしてクラスのグループを作り、今に至るまで名目上の管理者として居座っている。もう誰も喋っていないけれど。 その後大学に入って、またいろんなサイトやフォーラムを作った。でも正直ぱっとしなくて、中学の頃の盛況を二度と再現できなかった。何度作り直したか分からないフォーラムに、俺はこんな一文を書いたことがある。 「十八歳でしか見ない夢がある。大人になって初めて分かる夢もある……」 この後にまだ何か続いていた気がするが、覚えていない。要するに、若作りで無理に愁いを装うあの感じだ。何が言いたいのか俺自身にも分からなかった。ただ、こう書くとかっこいいと思ったから、そうした。 するとすぐにクラスメイトから批判が来た。「薬でも間違えたのか、気持ち悪くて鳥肌が立つ」と。 一理あると思ったので、この言葉を Discord の署名に設定した。そうすれば毎日見られる。 何年も経って、俺は再びこの言葉を思い出した。そして今なら、この言葉はなかなか的を射ていると思う。確かに若い頃にしかやらないことがあるし、青春の頃にしか分からない夢もある。
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2022年に一番おすすめするギャルゲー

やっと時間を取って去年プレイしたゲームを全部書き出してみたんだが、全部で31本だった。2021年とほぼ同じだ。ただ、2023年はこの数字が大きく減るだろうと感じている。時間がないからではなく、業界がもうダメなんだよ。5月になってもろくな作品が数本しかないし、年末までに10本揃うかどうかも怪しい。 俺が夢見ていた「ギャルゲーという斜陽産業が死ぬのを見届ける」という願いも、もうすぐ叶いそうだ。 去年のゲームの質は本当に褒められたものじゃなくて、“個人的ベスト"を挙げろと言われても10枠埋まるかどうか怪しい。だから今年は趣向を変えて、いつものおすすめに加えてツッコミ系の部門も追加してみる。「ワースト」「一番クソ」とか……まあネタとして楽しんでくれ。地雷回避の参考になればいい。

『サメと生きる七日間』レビュー

台湾の有名ラッパー MC HOTDOG(熱狗)は実は映画にもよく出演している。ただ彼はちょっと変わっていて、出ているのはどれも「低予算」「粗削り」、下手すると一目で怪しいと分かるような「ネット配信映画」ばかりだ。小瀋陽や大鵬、岳雲鵬なんかと共演したり、台湾で無名監督のホラー映画に出たりもしている。結果はご想像の通り、大半の評判は芳しくなく、ほぼ駄作扱い。彼が出た映画はほとんど全部、評価の低いクソ映画と言っていい。 多くの人が自分と同じように疑問に思うはずだ。熱狗は中国語ラップの代表格みたいな存在だし、アメリカの Eminem が『8 Mile』みたいな深い作品を撮れるなら、彼にもそれなりの映画を撮る力とリソースがあっておかしくない。たとえ遊び半分でも「駄作」なんてものは作らないだろう。ところが後のインタビューで、彼は自分からこの問題に触れていて、その答えが妙に腑に落ちた。 熱狗いわく、彼は俗に言う「大作」系の映画が好きじゃない。むしろ「粗悪」な感じのするB級映画のほうが好きなんだそうだ。しかもB級映画の良さをいろいろ語っていた。マイナーなB級映画だからこそ、題材は厳密じゃない代わりに自由奔放。マイナーなB級映画だからこそ、内容はより大胆で「ネタを振る」こともでき、大作が触れられない敏感な領域にまで踏み込むことすらある。マイナーなB級映画だからこそ、スタイルも誇張されていて、ホラーはよりホラーに、グロはよりグロに、コメディはより開放的に。 B級映画だから、客層も宣伝もマイナーで、あまり注目されない。だからこそ自由なんだ。世界にはかなりの規模で、そういう「お上品な場には出せない」映画に夢中なB級映画ファンがいる。 この考え方は自分にとって目から鱗だった。Galgame を始めた頃のことを思い出したからだ。何年も斜陽産業と囁かれ続けてきた Galgame 市場でも、この「B級映画」的な発想は通用する。題材選びにしても筋書きの展開にしても、Galgame はより自由だ。多くの「神ゲー」もそういう「自由」な枠組みから生まれている。だからこそ大勢が「暗黒」「死」「苦痛」、果ては「調教」なんてテーマの中に「癒し」を感じるのだろう。 そしてようやく、「Galgame」と「B級映画」の共通点に気づいたメーカーが現れた。CUBE の『サメと生きる七日間』だ。

『アルカナ・アルケミア』レビュー

「糖塊社」(Lump of Sugar)から『アルカナ・アルケミア』という新作企画を見たとき、思わず笑ってしまった。 いまどき、まだこんな伝統的な「錬金術」ものをやるのか。 「錬金術」と聞いてまず思い浮かぶのは「人体錬成」だ。せめて錬金術が現代医学・哲学・化学の先駆けだとか、そういう話をしてくれてもいいのに。後でゲームの設定を見てみたら、案の定「獣耳の生命体を錬成してしまった」という話で、わざとなのかうっかりなのかもわからない。 十二月末にゲームが出てからというもの、「サメ」を見ると大阪の黒い服のオタクを連想して、そこからさらにアレな連想が働いてしまい、どうにも居心地が悪い。なのでまずはこのゲームを優先して触ってみたのだが、これが意外と悪くない。それどころか、『アルカナ・アルケミア』は「糖塊社」が最近出した中で最高のゲームだと言ってもいいし、自分の年間ゲームランキングにも入るレベルだ。

『ハミダシクリエイティブ凸』レビュー

正直な話、『ハミダシクリエイティブ』は前にプレイした時からずっと謎だらけだった。 まず何よりシナリオが理解できない。「二次元に浸りながらブラコンで、しかも金持ちだから廃人になった兄を養ってやる気満々の妹」、「エロ絵を描くのが好きで、オタクとべったりするのは大好きなのにオタクみたいに気持ち悪くはなく、しかもオタクと付き合いたいと思っている二次元絵師」、そして「クールで毒舌で自己中心的なくせに、オタクに貢ぐためにツンデレと女王を交互に演じる黒髪ロング」、さらには「どう見ても普通レベルで、V界隈なら1ヶ月で卒業するタイプなのに、なぜか罵倒も下ネタもなしで人気王になり、しかもオタクに貢ぐVtuber」…… このゲームの世界では、女はみんな主人公を見た瞬間にヤりたくなるらしい。彼女たちの罵倒はただのツンデレ、拒絶はフリ、そして「NO」は実は「YES」、口では嫌がって体は素直、心の底では四六時中主人公に征服されたいと思っている……世界中に男が一人しか残っておらず、交尾した女しか生き残れないという設定でもない限り、こんなシナリオにリアリティを感じることはできない。

『2045、月より』レビュー

最近ホットな話題といえばやっぱり人工知能。ChatGPTが今年の初めに再ブームを起こして、みんな「こんなにすごいのか」と驚くと同時に、ちょっとした恐怖も感じている。 「コンピュータがこのまま強くなったら、人間を取って代わるのもそう遠くないんじゃない?」 そんな恐怖と一緒に出てくるのが、SF映画の「機械が人類を支配する」展開。数年後には脳に管を突っ込まれてmatrixとかいうメタバースに入って、肉体は地下でレジスタンスを組織して強力なロボットと戦うことになるんじゃないか、みたいな。危機はいつだって突然やってくる。 でも、本当にそうなのか?

『ジュエリー・ハーツ・アカデミア』レビュー

『ジュエリー・ハーツ・アカデミア』は実はかなり前にクリアしていたのだが、ずっと書くのが面倒で放置していた。理由は主に、先に商業記事を書いてしまったからだ。このクソゲーの前後半のストーリーから細部の分析まで、あらゆるレイヤーで深く評価しまくったせいで、すっかり疲れ果ててしまった。ブログでもう一度第二版を書くと思うと吐き気がするので、そのまま塩漬けにしていた。 とはいえ年末のゲーム総括と評価のためには、このゲームもやっぱり書かないといけないよな。逃げられない。 ストーリーについては正直、展開するのが面倒すぎる。長すぎるし、複雑すぎる。手短にネタ概だけ話そう。細部は触れない。
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『Japanese school life!』レビュー

海外のオタク層が持つ巨大な潜在力と財布の中身に気づく日系メーカーが増えたおかげで、Steamで配信されるギャルゲーはどんどん増えている。さらには「Steam専用」とでも言うべき作品まで登場していて、企画の段階から海外市場だけを狙い、国内は完全に切り捨てて売り上げを伸ばそうとしている。 ただ、そういうゲームの大半は全然売れない。日本人の「人に迷惑をかけない」というメンタリティのせいなのか、彼らはいつも自分たちの考えだけで海外ユーザーの心理を推し量る。『日本的すぎる』『硬核すぎる』内容は海外ユーザーには理解されないと決めつけ、海外のオタクが日本に求めるものは「忍者」「桜」「JK」「学園祭」あたりだと一方的に思い込んでいる。こうした思い上がった迎合はだいたい「気まずすぎる」結果しか生まない。ピンとこないなら、日本が海外市場でやらかしてきた「ローカライズ」を思い出せばいい。中国語ユーザーは日本の二次元キャラが中国語を話すのを見たいはずだと信じ込み、専用の中国語テーマソングまで用意し、中には海外ユーザーのためにシナリオを書き直したゲームまであった。結局どれも誰にも買われなかった。当時の日本人には、なぜあれほど多くの中華圏ユーザーが日本語をまったく理解できないのに日本語ボイスにこだわるのか、理解できなかったのだろう。聞いてわからないのにいいのか、と。